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会社でストレスチェックを実施する責任者の方とストレスチェックの実施状況を見ながらお話させて頂く機会が増えています。個人情報保護、高ストレス者対応等々に相当苦心されていて、ストレスを溜めていらっしゃらないかと心配になるほどです。
ストレスチェック実施の趣旨は自分が抱えているストレスに気づき、セルフケアのきっかけとなればということにあります。
不調を判定できるものでは決してないので、結果を深刻にとらえないようにと申し上げるようにしています。産業医面談を希望された方には、ストレス要因をもう一度具体的に整理してみて、どのようにしたらひとつひとつのストレスを減らすことができるかいっしょに考えてみませんかと提案させていただいています。
下表は厚生労働省「ストレスチェック制度導入マニュアル」の抜粋です。
厚生労働省が想定しているストレスチェックとは、自分のストレスをチェックする「簡単な検査」です。
最近ストレスが溜まっているなと感じた時に手軽に気軽に測れるものでなければその趣旨に反します。多額のお金を外部業者に払い、これだけのお金を費やしているのだからとストレスチェックを過大視し、その一回だけの結果を深刻に捉え、問題視するのは精神衛生上よくありません。血圧が高めの人が、家庭血圧を測り記録するような簡便さがストレスチェックにも必要です。厚生労働省は自社で低コストでできるようフリーのプログラムを提供しているのですから。
一度やってみて要領がつかめたのではないでしょうか。
ストレスチェック実施体制を見直してはいかがでしょうか。
個人情報保護については、IDを各個人のメールアドレスにして、パスワードを支給して、プログラムにアクセスできるようにすれば問題ないのではないでしょうか。会社に血圧計を置いて、時折チェックできるようにしているところも結構見かけますが、ストレスチェック用のパソコン(中古の低価品で問題なし)を置くのもひとつの手かなと思います。システムはフリーのgoogleフォームなどで作れます。データの保守管理は産業医がやればいいのです。
ストレスチェックも血圧測定同様、こまめに経過を見ることが大切です。気軽に手軽に測れることで従業員の方々のストレスチェックに対する抵抗感も薄らぎ、セルフケアに対する意識も高まっていくことと思います。
厚生労働省より平成27年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況が10月13日公表されました。
それによると
仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は55.7%、仕事や職業に関する不安、悩み、ストレスについて相談できる人がいると答えた労働者の割合は84.6%、相談できる人がいるとした労働者のうち「実際に相談した」労働者の割合は78.1%です。ということは
5割以上の方が仕事で強いストレスを感じ、その内誰かに相談できた割合は、66.2%・・・約2/3
という結果になります。1/3の方が孤立感を持っているということでしょうか。産業医面談をしているとストレスを抱えている方には孤立感を覚えている方が多いと感じます。
「実際に相談したことがある」労働者のうち、ストレスが「解消された」とする労働者の割合は31.1%、「解消されなかったが、気が楽にになった」とする労働者の割合は59.1%です。
産業医面談後、話して気が楽になったと言って下さる方が少なからずいらっしゃいます。
気軽に相談できる環境作りが最も大切だと感じています。
下図は相談できる相手、実際に相談した相手の調査結果です。
上司・同僚、家族・友人が圧倒的です。それに比べ産業医、産業医以外の医者と言ったら・・・。産業医を雇っているはずだが会社で見かけたことがない、仕事のことをわかっていない医者に仕事上の悩みについて相談しても無駄(製造業で働いているときはそう思っていました。今も力不足を感じることがよくあります。)、メンタルクリニックは敷居が高い等が理由でしょうか。さらに産業医は、「相談できる(はずの)人」に対する「実際に相談した人」の比率が極端に低い。産業医の多くが有名無実ということでしょうか。近くのクリニックに産業医をお願いしているけど滅多に来ない、15分の面談をお願いしたけど2~3分で終わりということを耳にします。
職場の実情に即したセルフケア、ラインケアを自分たちで考え試行錯誤でいいので少しずつ実践してみませんか。実情から乖離したセミナーを聴講するだけでは役に立たないように思えます。
ストレスチェックよりセルフケア、ラインケア教育にお金を使うほうが本筋です。
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