人と人との接触を8割削減する必要がある根拠になっていたのが実効再生産数です。
3月の下旬には2程度で、このままでは感染爆発が起きるから1未満にしなければならない。人と人との接触を8割削減すると実効再生産数は0.5まで減少し、余裕をもって感染爆発を阻止できるという試算であったはずです。
実効再生産数の見積もり自体が実態からかけ離れているので、「8割」に科学的根拠はほぼないのですが、この試算に対する検証をすることなく、
人口10万人当たり新規感染者0.5人以下を宣言解除の基準
とする唐突な発表に耳を疑いました。まだ「8割」の方が科学的です。「人と人との接触」の観点から、最低限人口密度を考慮に入れなければならないはずです。ただ単に、東京都の宣言解除をするのが怖いから、他県との間の線引きのために持ち出した根拠のない数値でしょう。こんな無意味な数値に振り回されるのは情けないですね。
専門家会議は諮問機関でその答申には本来法的拘束力はありません。ということは、専門家会議がどんな答申をしても法的責任を問われることはありません。宣言解除をしてまた感染拡大が起きたらどうしようどうしょうと恐れるのも今までの答申を拝見して無理もありませんが、さっさと全国の宣言解除の答申を出したほうが御身のためです。
専門家会議の数理モデルを修正したシミュレーション結果と5月2日段階での新規感染者数の推移を比較できるグラフを以前掲載しています。
接触8割削減に日本人の社会活動・生活様式に即した具合的な根拠はあるのか?
微分方程式にはさらに修正しなければいけない点が多々あるのですが、敢えてそのままにして、5月3日以降の新規感染者の実態をどれだけ予想できているか見てみたのが下のグラフです。
結構、実態と合っています。5月1日の「専門家」による提言時点で、感染の収束は十分予想できたはずです。
「ウイルスを吸った人がすべて感染するわけではありません。ウイルスが気道の細胞に取り付き増殖する前に、自己の免疫力で、ウイルスを追い出すことが出来ている人が相当数いるはずです。」ということを前提にしなければ、実態に合わせることはできません。
4月10日段階で、実効再生産数が0.7になっていると「専門家」が言っています。その後も順調に、新規感染者数が減っていますので、さらに実効再生産数も減りて5月に入ってから0.5以下になっているはずです。私の試算でもそうなっています。
高リスク者であるお年寄りの心に響く言葉で説明してください。
オーバーシュート、ホームステイ、ロードマップ、アラートなどカタカナ英語の多用はお控えください。