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企業における感染予防対策及び感染者が発生した場合の対応 

1.新型コロナウイルス感染症の予防対策の徹底

(1)自己管理

① 体温の測定と記録(調子がおかしいと思ったら必ず体温を測りましょう)

② 発熱、咳などの症状がある場合に所属長への連絡と自宅待機の徹底

③ 以下の場合には所属長に連絡の上帰国者・接触者相談センターに問い合わ せ 
・体温 37.5 度以上の熱が4日以上継続した場合(解熱剤を飲み続けなければ
 ならない場合を含む)
・ 強いだるさや息苦しさがある場合
・ 基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など))がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方で、風邪の症状や 37.5 度以上の発熱が2日程度続く場合

④ 新型コロナウイルス感染症の検査の状況、診断結果等について所属長への速やかな報告

(2)事業所内における感染予防策
① 出勤時、帰社時、トイレ使用後、食事前の石鹸と流水による手洗いの徹底。

② できる限りマスクを着用すること。できるだけ対面で話をすることを避けること。対面で話をする必要があるが、マスクの確保が困難で着用できない場合には、2メートル以上の間隔を保つこと。マスクがない時に咳、くしゃみをする場合にはティッシュ・ハンカチや袖等で口や鼻を覆うこと。

③ 通常の清掃に加えて、水と洗剤を用いて特に机、ドアノブ、スイッチ、階段の手すり、テーブル、椅子、エレベーターの押しボタン、トイレの流水レバー、便座等人がよく触れるところの拭き取り清掃をすること。

ウイルスは石鹸、洗剤等の界面活性剤で感染力を失わせることができますが、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後水拭きすることで、より効果的にウイルスを失活させることができます。

 [次亜塩素酸ナトリウム0.05%液の作り方]
ハイターまたはキッチンハイター25ml(キャップ約1杯)を1リットルの水に注ぎ薄める詳しくは、
https://www.kao.com/jp/soudan/topics/topics_107.html
https://www.kao.com/jp/haiter/hit_kitchen_00.html

 ④こまめに換気すること(HEPAフィルターまたはUV照射器搭載の空気清浄機使用)

 

2.患者発生時の患者・濃厚接触者への対応

濃厚接触者」とは、「患者(確定)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当するもの
・ 新型コロナウイルス感染症が疑われる者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・ 適切な感染防護(※1)無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護若しくは介護していた者
・ 新型コロナウイルス感染症が疑われる者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・ その他、手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メート以内)で、必要な感染予防策(※2)なしで、「患者(確定例)」と接触があった者(患者の症状などから患者の感染性を総合的に判断する。)

(新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査要領(暫定版)(国立感染症研究所感染症疫学センター令和2年2月27日版)より)

(※1) 飛沫感染に対しては、患者と1m 以内で接する時にはサージカルマスクを着用。接触感染に対しては、病室入室時には手指消毒後に手袋を装着し、退室時には手袋を外し再び手指消毒。(標準的な感染予防策(厚労省)より)

(※2) 2メートル以内の間隔で対面しての会話では、飛沫感染対策として、(※1)に準じ、サージカルマスク(市販の普通のマスクで大丈夫です)着用が必要。

濃厚接触者を出さないためには

・発熱、咳などの症状がある場合に所属長への連絡と自宅待機の徹底

・マスク着用などの咳エチケットの徹底

・マスクをせず、会話するときは2メートル以上の間隔を保つこと

が肝要です。接触感染を疑われることがなければ、マスクをしていれば濃厚接触者にならないです。常に、他者との距離を2メートル以上に保つことを心がけましょう。

(1) 感染者発生の把握、報告及び周知
感染者が確認された場合には、事業所の所在地を所管する保健所に報告し、対応について指導を受ける。また、社員に対しては事業所内で感染者が確認されたことを周知するとともに、1に掲げる感染予防策を改めて周知徹底する。

(2) 濃厚接触者の確定及び対応
① 保健所の調査に協力し、感染拡大防止のため、速やかに濃厚接触者と見込まれる者を自宅に待機させる。

② 保健所が濃厚接触者と確定した従業員に対し、必要に応じPCR検査(行政検査)の受検あるいは感染者との最終接触から14日間の健康観察を行う必要があることから、保健所の指示に従う。

③ 濃厚接触者と確定された社員に対し、発熱又は呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈した場合には、保健所に連絡してPCR検査を受検するよう促し、速やかにその結果を報告させる。

 

3.施設設備等の消毒の実施 

(1) 保健所が必要と判断した場合には、感染者が勤務した区域の消毒を行う。

(2) 消毒は保健所の指示に従って実施することが望ましいが、緊急を要する場合には、感染者が勤務した区域のうち、手指が頻回に接触する箇所(ドアノブ、スイッチ類、手すり等)を中心に、アルコール(消毒用エタノール(70%))又は次亜塩素酸ナトリウム(0.05%以上)で拭き取り等を行う。

 

(事例1)  自動車メーカー
3月14日に発熱し週明けの16日より休務。発熱が続いたため、19日にPCR検査を受け陽性。感染者の職場における行動履歴を確認し、11人の濃厚接触者を特定。これら濃厚接触者は感染者との最終接触日から14日目までの自宅待機に加え、感染者の勤務していた職場については、感染疑義が発覚した3月19日時点で消毒作業を実施し、稼働を再開。

(事例2) 出版社
発熱を訴えて4月2日から自宅で療養。8日、PCR検査陽性。濃厚接触者は14日間の自宅待機とし体調を観察し、期間中は取引先と対面することを禁じ、電話やメールによる業務に限定。感染者及び濃厚接触が勤務していたフロアや社内スペースは速やかに消毒し、必要に応じて別フロアを使って業務にあたっている。

(事例3) 関西の大学病院 感染予防の徹底
 医師、看護師等新規採用職員に対し、4月1日までの2週間の間に1回でも2人以上(家族での食事を含む)で飲酒を伴う外食をしたことがあるか等について自己申告を求め、該当する256名に対して外食等の事実があった翌日から14日間の自宅待機を命じた。

(事例4) 放送事業者 危機管理意識の欠如? 平熱に戻っても安心できない!
報道番組のメインキャスターを務める男性アナウンサーが感染。4月3日と4日に38度台の発熱があったが、平熱に戻り6日から9日まで番組出演。7日番組中痰がからむ症状があり、9日平熱だったが階段を昇ったり早歩きすると息切れを感じ、番組終了後不調を訴え、10日入院。肺炎の症状があり、11日にPCR検査陽性。濃厚接触者多数?